放射線診断科の中でもいろいろなsub-specialtyがあり、そのひとつとして小児画像診断があります。
小児画像診断担当医師は、子どもたちがより安全に適切な検査が受けられるように、超音波検査をはじめとして、放射線被ばくを抑えた検査や、子どもに適切な撮影方法を考えながら診療をおこなっています。
助教 谷 千尋
広島大学病院 放射線診断科 小児担当医
平成14年卒
日本医学放射線学会放射線診断専門医
医師 松原 佳子
広島大学病院 放射線診断科 小児担当医
平成21年卒
日本医学放射線学会放射線診断専門医
谷:
学生実習の時に画像は面白いなと思ったのと、全身を診れるということです。放射線診断医がドクターズドクターと呼ばれるように、先生方を支える仕事は面白そうだなと思いました。
松原:
私は特定の科が選べなかった、選びきれない状態が続いていました。放射線診断科は全身を診なくてはいけないので選ばなくていいし、IVRで患者さんと触れ合う機会もある、そこが決め手になりました。
小児に優しい医療のために技術を磨き、
仲間を増やしたい
助教 谷 千尋
谷:
学生の頃から小児領域に興味がありました。学生実習で小児放射線を見て、本当にやってみたいと思ったんです。
松原:
私は小児はまったく考えていなかったんですけれども、ここに入局した時に谷先生が小児のエコーをされていて、エコーにすごく興味があったので「一緒にやらせてください」とお願いしたんです。やっていくうちに小児は面白いと思うようになりました。
谷:
一人ぼっちでやっていたので、仲間が増えて嬉しいです。
他科の先生方とのネットワークを広げて未来ある子どもたちを支えたい
医師 松原 佳子
谷:
国立成育医療研究センターに2年間行かせてもらいました。日本でたぶん一番大きい小児病院なんですが、患者さんは小児か妊婦さん、小児で患った病気の経過を診る大人の方。2年間で普通の病院の10年から15年分くらいの小児の症例を経験して、すごく内容の濃い2年間でした。
松原:
私も谷先生と同じ病院に1年行かせていただきました。すごく勉強になりましたが、帰ってきてからは分からないことがあったら相談できる谷先生がいてくださるのが心強いです。小児の場合、特殊な画像が出てきた時など、自分一人ではよく分からないことも多いので、すぐ相談できる方が近くにいてくれると安心です。
谷:
できるだけ子どもに優しい検査をしてあげたいと思っています。子どもの体にできるだけ負担をかけない、でもしっかりと診断はできる。そのために研究も進めています。
松原:
こちらでは大人が中心で、小児はその合間での対応になります。だからどうしても大人に合わせないといけなかったり、小児科の先生も大人に合わせて検査するということが多くなるんですが、他の科の先生方とももっとつながりを持って、子どもに優しい医療を行っていきたいです。
谷:
教授のお人柄のおかげだと思うのですが、和気あいあいとした雰囲気です。でも研究面はとてもアクティブだなと感じます。
松原:
教授とはみんなで一緒にランチを食べていて、その中で仕事の話しや自分が考えていることを話すことも多いのですが、何でも聞いていただけるし、若いメンバーのこともすごく気にかけていただいていると感じます。
谷:
検査が終わってその日のレポートを書き終えれば終わりで後はフリーです。自分の研究をしたり、雑用を済ませて、19時か20時には帰るようにしています。最近朝型に変えたので、もっと早く帰れるようにしたい。日中はひたすら忙しいですが、朝や夕方の時間は自分で調整できますし、土日も基本的には自由です。なので、休日はサッカー観戦に行ったり、散歩したりしています。
松原:
私は今、大学院に入っているので、朝早く来て17時か18時くらいで業務を終えて、その後は院の研究をするなどして21時か22時ぐらいに帰っています。スケジュールは、来る時間も帰る時間も自分で決められるので、毎朝走ったり、休日には山歩きしたり、オフもしっかり楽しんでいます。
谷:
放射線診断科は各患者さんが正しい治療を受けるために最初に正しい診断をする科なので、すごくやりがいがあります。主治医とは違う立場で診断して、主治医の背中をポンと押してあげられる。「大丈夫です先生、そのまま行きましょう」と。先生方はみんな背中を押して欲しい瞬間がいっぱいあると思うんです。その時に自信を持って次に進むための後押しをしてあげられる。そこがやりがいがあるところだと思います。また、小児放射線科はまだまだマンパワーが不足しています。小児に興味がある方には一度ぜひ放射線診断科も見て欲しい。人が増えれば、もっと子どもに優しい医療を進めていくことができると思います。
松原:
当直の先生が自分の専門以外の患者さんを診ることもよくあるのですが、放射線診断科はそういう時に頼られることが多いんです。先生と患者さんの力になることができる、しかも若いうちからそういうことができます。自分で勉強して、少しでも多く経験すれば、より正確な診断もできるようになると思うので、どんどんステップアップはしていけます。女性も多く、女性がずっと働ける環境があります。医局の雰囲気も明るく、仕事の希望や意見なども話しやすい雰囲気なので、ぜひ女性の方にも来ていただきたいです。